JR中央線上諏訪駅から上諏訪街道沿いに10分程度歩くと、500メートルという短い区間に酒蔵が5軒並んでいます。本金はその中の1軒で、上諏訪の中では一番小さな酒蔵です。生産量が少ないせいか、横浜在住の私の生活圏内ではお目にかかることがありません。

上諏訪では、年に2回、春と秋に「上諏訪街道呑みあるき」というイベントを開催しています。諏訪の街並みをそぞろ歩きながら、5軒の酒蔵に立ち寄ってはお酒を試飲できるという、素敵なイベントです。数年前初めてこのイベントに参加した私は、ここで本金に出会いました。

呑みあるきの参加者ですぐにいっぱいになってしまう土間で、並んだお酒を注いでくれる蔵人の皆さん。小さなお子さんを背負って販売所を切り盛りしている蔵元の奥様。小さいけど、アットホームな雰囲気が漂う酒蔵です。

お酒のお味は、年によって若干味に振れ幅がある印象はありますが、フルーティーで華やか、かつ濃厚な大吟醸&純米吟醸から、すっきり辛口でコクもある本醸造「太一」まで、多すぎず少なすぎず、いい感じのラインナップが揃っています。お酒の知名度はまだ低いかもしれませんが、コアな本金ファンも多いようです。呑みあるきイベントで私の後ろを歩いていた若い男女数人グループの会話
「まず、どこから回る?」
「決めてないけど、俺たちのことだから、気がついたら本金に集まってんじゃね?」
「言えてる」
というのを聞き、嬉しくて笑いがこみ上げてきたものです。

今回ご紹介したいのは、春の呑みあるきで出会って、即買いしてしまった純米吟醸無濾過生原酒です。酒米は長野県産ひとごこち、酵母は長野酵母スペックDを使用しています。

甘〜い、でもまだ熟れきってないメロンのような吟醸香が広がり、味は、甘味と酸味と苦味とがバランスよく舌の上で踊っている感じ。華やかで膨らみがあります。「上品」とか「綺麗」とかいう言葉は似合いませんが、彩りがあって、あでやかな印象で「おしゃれした町娘」のようなお酒でした。

本金は首都圏ではなかなか入手できないので、私は呑みあるきイベントで上諏訪に行く時には必ず本金を購入しています。が、最近になって、東京都内で本金を扱っている酒屋さんがあることを知りました。地酒屋こだまさん(最寄り駅はJR大塚駅)です。ご主人TAKEさんが本金の大ファンだそうで、こだまにはかなりの種類の本金が揃っています。本金九代目蔵元にして杜氏の恒太朗さんを招いて本金の会を企画してしまうほどの本金愛にあふれる酒屋さんです。本金を呑みたいけど上諏訪までは行けないという方、ぜひ地酒屋こだまに足を運んで下さい。

ちなみに、酒ぬのや本金酒造でもネット注文を受け付けるようになりましので、大塚も遠くて行けないという方はこちらをご利用下さい。

データ
酒ぬのや本金酒造
長野県諏訪市諏訪2-8-21

http://honkin.net
地酒屋こだま
東京都豊島区南大塚2-32-8

http://sake-kodama.jimdo.com
レポート
加藤里加子