日本酒の「製造年月日」とは、法令(酒類業組合法)で定められたラベルへの必要記載事項になります。食品や飲料に記載される食品衛生法上の「賞味期限」や「消費期限」とは意味合いが異なり、出来上がった日本酒を、瓶に詰めて、出荷できる状態にした日を指しています(日本酒関連の書籍には、瓶に詰めて出荷した日と書かれていることが多いのですが、その日に出荷するとは限りません)。

よって、製造年月日を見ただけでは、昨日出来た「新酒」なのか、製造から10年経った「古酒」なのかが判断できないこともあります(以下のように記載している商品もあります)。


「製造年月日」と別に、醸造した年度を記載している例

何故、このような法令になっているかというと、昭和初期より日本酒は、出来た段階ではなく、出荷の段階で課税されるようになったからです。要するに徴税する側からすると、いつ出来たかではなく、いつ出荷するかが知りたく、瓶詰日の印字を義務づけた訳です。

しかし、現在ではこの「製造年月日」表示の弊害が指摘されるようになってきました。

まず、小売店などで製造年月日を賞味期限と勘違いして、「この日本酒、賞味期限が切れてないか?」と誤解する消費者が出てきました。

さらに、これまでは醪を搾った(上槽)後、数日から数ヶ月(中にはそれ以上の期間)タンクで貯蔵してから瓶詰めされるのが通例だったのですが、タンクで貯蔵すると、どうしても酸化のリスクが生じるため、上槽後すぐに瓶詰めするスタイル(いわゆる瓶囲い)が増えてきました(特に無濾過、生酒系を主力とする蔵元にて)。瓶詰め日を印字しなければならない今の法令だと、店頭に並ぶときには製造年月日から数ヶ月以上経った表示を消費者が目にすることになり、「この日本酒は古いのでは?」と誤解される恐れもあるのです。

このように、消費者が誤解したり、混乱したりしないように、今後は「上槽日」、「瓶詰め日」、「出荷日」などの明記が課題になると思われます。