その昔、その年の収穫を神様に感謝する祭りに供されたものです。(貴とは酒の古名)祭りは平安初期に宮中の年中儀式や制度を詳しく記録した「延喜式」の中に新嘗祭(しんじょうさい・現在の呼び名は「にいなめさい」)と記されており、この白貴とそれに灰を入れた黒貴を神に供し祝ったとされています。

白貴はまず、米、米麹、水で仕込み、10日間発酵させたものを搾った白濁の酒に蒸し米と米麹を都合4回加えるしおり方式で仕込みます。そしてこれに久佐木の根を蒸し焼きにして作った黒い灰を加えたものが黒貴となります。この酒は麹や米に対して水の使用量が極端に低いので、酒質は驚くほど濃醇で甘口です。灰の効果は酒中の余分な酸を中和し、甘味と旨味を引き出し、灰の持つ殺菌力で腐敗を防ぐこと等にあります。