東京メトロ千代田線千駄木駅より徒歩2 分。店内中央に焼酎の棚を配置。

創業1706(宝永3)年、国産の酒に特化した粋な老舗

創業は宝永3 年、第五代将軍、徳川綱吉の時代。当時、江戸には伊勢出身の商人が多く、その一人、篠田五右衛門が谷中に店を開いてから現在は9代目、307年もの長きにわたり続いている酒店です。

徳川家の墓所である寺町の谷中は地盤が強固で、関東大震災での大きな被害を免れ、東京大空襲でも焼けずに残りました。その後、2 度の建て替えを経て、2006(平成19)年には隣町の千駄木へ移転。

「奇しくも創業300 年の年だったのですが、それを意図したわけではなかったんですよ。

旧店舗の店先は道が狭く配達車両の出入り等に不便でお客様にもご迷惑をおかけしていたことが理由です。お客様や蔵元さんとの日々のおつき合いでいかに信頼を得るかが大切であり、そこには老舗だから有利といったことはないと思っています」と話す9 代目店主の篠田俊志氏。篠田氏を始め、店長の南保武史氏ら5 名が唎酒師の資格を持っています。会社でバックアッ

プし、取得をすすめているとのこと。

「インターネット販売も多い昨今ですが、当店では対面販売を大切にしたい。資格取得によって私を含むスタッフのモチベーションを高め、対話の質を高められれば、と」

南保氏は、趣味のイラスト描きの腕を生かし、店内に貼るポップはもとより、蔵元と組んでオリジナルラベルを作ったり、顧客から希望があればその店に貼るためのイラストも手がけています。

品揃えは、日本酒と焼酎が大半で、他に国産ワインとリキュールを少々。つまり国産に特化しています。お客様の7 割は飲食店で範囲は東京23 区に及びます。取材当日も、平日の開店早々にも関わらず、遠方から車で来店する飲食店の方が数名もいて、信頼されている様子がうかがえました。

0°Cをキープ、14 扉ある日本酒の冷蔵庫。日本酒・焼酎ともに各150種以上を取り扱っている。

手前の棚は国産リキュール、奥はテイスティングコーナー。前割用瓶や酒器なども販売。

松浦酒造や上妻酒造とコラボレートし、南保店長がオリジナルラベルを制作。手前のイラストは顧客の飲食店からの依頼で描いたもの。

代表の篠田俊志氏(左)と店長の南保武史氏(右)。看板一つのシックな外観は閑静な住宅街に溶け込み酒販店と気づかない人も多い。

東京都文京区千駄木3丁目3-13
☎ 03-3821-4557
月〜土 10:00~19:00
日・祝 休
http:// www.isego.net

NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会) 会報誌「もてなしびと」2014.1掲載より一部抜粋