甲類焼酎のできるまで

甲類焼酎ができるまでをチャートで表しました。まずは全体の流れをつかんでおきましょう。


原料を発酵させて生まれるもろみを連続式蒸留機によって何回も蒸留を繰り返し、限りなくピュアなアルコールを製造することが最大の特徴です。その後、貯蔵やブレンドなどの工程を経て、味わいのある甲類焼酎になります。

甲類焼酎の原料

甲類焼酎の原料は植物原料のみです。
酒税法の定義にもあるように、発芽させた穀類又は果実(果実を乾燥させ若しくは煮つめたもの又は濃縮させた果汁を含み、なつめやしの実、その他政令で定めるものを除く)は原料として使用できません。
その植物原料のうち、中心になるのがサトウキビです。サトウキビには糖蜜、ケインジュースという状態で使用します。
サトウキビ(糖蜜):サトウキビから砂糖を精製したときにできる糖を含んだ液体
ケインジュース:サトウキビの搾り汁
サトウキビの次に多いのはコーンで、甲類焼酎の原料のほとんどが、サトウキビとコーンになります。その他、米、麦、テンサイ、タピオカなどの原料が使われることもあります。

糖化、発酵、粗留


主な原料はサトウキビやコーンですが、糖質を含むサトウキビ原料の場合は、直接発酵させてもろみを造ります。コーンや米、麦などの原料を使用する場合は、その穀物のデンプンを一度、麹菌や酵素で糖化させてから発酵を行い、もろみを造ります。
出来上がったもろみを連続蒸留して、いったん粗留アルコールを製造します。この工程までは主に海外で行い、出来上がった粗留アルコールは日本に輸入されます。

連続式蒸留


輸入された粗留アルコールは製造メーカーにて「スーパーアロスパス蒸留機」と呼ばれる、大型の連続式蒸留機で再度、蒸留されます。この工程でフーゼル油やその他の不純物がほとんど取り除かれ、純度の高いアルコールが得られます。
(出来上がりのアルコール度数は96度前後です)
蒸留塔の中は、一般的なもので50段位あります。 その中段部分から原料の発酵もろみを入れ、管を通って下の段に落ちる仕組みになっています。
蒸気を下から吹き込むことで、もろみが流れ落ちるところを加熱し、気化したアルコールを含んだ蒸気を集め、冷やして液化します。
また、その他の特徴としては蒸留の途中でアルデヒドやフーゼル油といった不純物を取り除くことが出来るので、アルコールを含んだ蒸気はピュアなものになります。
連続式蒸留機は連続して原料もろみを供給できるところから「連続式」といわれています。

割水

連続蒸留されたアルコールは、貯蔵する方法、容器に適したアルコール度数に割水調整され、不純物を取り除く処理を行った後に、貯蔵されます。

貯蔵

原酒を一定期間貯蔵し、アルコール分子と水を馴染ませながら熟成させます。アルコールの刺激臭が取れ、味や香りがまろやかになる特徴があります。貯蔵する容器は、主に大型のホーローやステンレスタンク、瓶、樽容器が使用されます。
貯蔵、熟成容器による違い

タンク貯蔵
材質は味やにおいの浸み出しにくいホーローやステンレスが主流で、原酒本来の味わいをまろやかにする効果があります。貯蔵タンクの中で熟成が始まると、硫化水素などのガス臭成分が急激に減少し、それに反比例して、油臭(あぶらしゅう)成分は急激に増加しますが、時間が経つことによって、その成分も減少していきます。そして、熟成期間を経て、水とアルコールの分子が馴染み合って、だんだんと丸みのある、刺激臭の少ないお酒に仕上がっていきます。

甕貯蔵

かめの呼吸作業※やかめ素材の成分である、鉄分、マグネシウムといった成分が原酒に浸出し、熟成が促進され、早くまろやかになっていくという効果があります。
※かめの呼吸作業
かめには目に見えない小さな穴が空いており、内容物がその小さな穴で外気とふれあっている状態。

樽貯蔵

樽材成分がアルコールに浸出し、樽の木の香りや琥珀色が原酒に移る作用が特徴といえます。
樽材由来の成分であるタンニンが年月とともに増加するとともに、色度も上がっていきます。また、香気成分であるエステル類も増えて、芳醇で味わい的にはまろやかに仕上がるという効果があります。

ブレンド、精製、瓶詰

原料、蒸留・貯蔵方法の異なる原酒を目的に応じてブレンドし、最終的な精製の処理を行ってから、瓶詰し出荷されます。
ブレンドについて
原料・発酵・蒸留・貯蔵・精製方法の異なるものの組み合わせで、酒質の特徴(味、香り)に幅を持たせ、バランス良く仕上げていくブレンド技術は、重要なポイントになります。
精製処理について
精製には、それぞれの製造業者が目指す製品に合わせた処理方法があります。その目的が、脱色したいのか、滓(おり)成分を除去したいのか、雑味を無くしたいのかによって、精製処理が異なります。 その代表的な方法としては、粉末炭やヤシガラ炭による「活性炭処理」、温度を低くすることで分離精製する「冷却濾過処理」、イオン交換樹脂を使用し、化学的に精製する「イオン交換樹脂処理」などがあります。

☆焼酎のプロを目指すなら「焼酎唎酒師」